保育園の帰り道、3人で歩いている時に「今日は何をして遊んだの?」と、保育園での出来事を聞きます。
「いちくんと、ぶろっくであそんだ」など、その日のことを教えてくれます。
でも、それとは別に。
布団にもぐり、「おやすみなさ~い」と挨拶を交わして、お母さんの腕の中で眠りにつく前。
「あのね、きょうね…」と、お母さんとぐり君だけの内緒の話が始まります。
「いちくんと、あいちゃんと、こうえんでおにごっこしたの。ぼく、おにさんでおいかけているとき、もうやーめたってぬけたかったけれど、しなかったの。そしたら、べるがなっちゃったの」
「ん? ベルが鳴ったら、もう遊びはおしまいなの?」
「ん…」
「鬼ごっこやめて、他の遊びをしたかったの?」
「ん…。ぼく、くるくるするやつであそびたかったの」
「そうか~。くるくるするやつって、円盤の遊具のこと?」
「ん…」
「でも、鬼さんが勝手に抜けちゃったら困るから我慢したんだ。偉かったね。また今度あの公園にいったら、今度は鬼ごっこをする前に、遊具で遊ぼうってみんなに提案してご覧」
大抵は、悲しかったことや、友だちにされて嫌だったことなどの話です。
帰り道は「保育園での楽しかった話」。布団の中では「心の中にわだかまった出来事の話」をしてくれます。
お母さんに抱っこされて暖かくて安心できる場所で、表情も見えない暗闇の中だから話せるのかもしれません。
旦那さんは、ウトウトしながら聞いていて、たま~に話に参加します。
そんな内緒の話の時間。
ぐり君が
「あのね…」と、この日も小さな声で話し始めました。
どうしたのかな? また悲しいことがあったのかな?
「きょうね」
「うん」
「にかちゃんにね、けっこんしようって、いわれたの」
「ええ!? にかちゃんに!? 結婚しようって言われたの!?」
「それで、ぐり君、なんて答えたの??」
「ぼく、びっくりしたの。“え”しか、いえなかったの…」
母、きゅん!
「ぐり君! いいよって返事しないと~!!」
「にかちゃんも可愛いけれど、ととさんは、はなちゃんがいいと思う!」
「旦那さん、そういうこと言わないの!」
翌日、旦那さんが「ますますここから引っ越せなくなった」と言ってました。