片隅でひっそりと

~共働き家庭の 仕事・家事・育児~

1年間で出産退職した女性は20万人…! 私たちは、1年で20万もの同士を失っている。

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第一生命経済研究所がレポートを出しました。

出産退職の経済損失1.2兆円 ~ 退職20万人の就業継続は何が鍵になるか?~

http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/pdf/ldi/2018/news1808.pdf

 

仕事を継続しながら育児をするのは大変です。

当事者になる前から「大変だろうな。自分にできるのだろうか」と不安でしたが、当事者になると想像を超えた大変さでした。

「夕食を作りながら、抱っこ要求に泣く子どもをなだめる」とか「阻止しても阻止しても、ちょっとの油断を見逃さずに扉を開けて中のものをポイポイと散らかす子どものあとを追いかけて片付ける無間地獄」とか「お父さんがお風呂に入れただけでギャン泣きして、風呂上りにお母さんにしがみついてきて離れない子ども」とか…! それらをかいくぐり、時にはスルーしながら、帰宅後の数時間で主な家事をやりきらなくてはいけない。…1年前の自分は想像力が足りていませんでした(笑)

 

共働きをすることで家族に負荷はかかります。女性はどうしても「私が働いているから子どもに寂しい思いをさせてしまう…」と第一線から退くことを考えてしまいますが、それは「私」の問題ではない。「私」が悪いわけではない。「両親が共に働くこと」で生じる負荷なので、一方的な女性の問題ではなく、男女の両親双方にかかる問題です。

「家事に手が回らなくて、家が片付いていない」「平日の料理が手抜きになってしまう」「平日は子どもを保育園に預けている」…これらの後ろめたさは、夫婦で背負うものだと思います。

 

私は、自分のためには仕事を続けたほうがいいだろうと思っています。長い目で見ると家族のためにもその方がいいだろうと思います。

「自分のためにも家族のためにも続けるべき」と分かっていて、「理解ある会社・職場」「家事にも育児にも協力的な夫」「あたたかくサポートしてくれる保育園」「やりがいのある仕事」…これらが揃っていても、それでも仕事で精神的にいっぱいいっぱいになった際には「辞めたら楽になれるかな…」と思ってしまう。

その思考は独身時代でも同じだったけど、家族がいると、「きちんと出来ていない家事・育児」を仕事を辞める大義名分にしてしまいそうになる。

待機児童の解消や会社の働き方改革ももちろん必要なのだけど、「働き続けるぞ」という気持ちの強さが一番必要だと感じています。

 

 

レポートのデータを見ると、

結婚して子どもをもつ予定の妻のうち、就業している割合は 77.7%、そのうち正社員が 40.5%、パートなどが 34.2%、自営業などが 3.0%

 で、

この計算を第一子、第二子、第三子(それ以上も合算)でそれぞれに乗じて、20.0万人の退職者の雇用形態別内訳を計算する。その結果は、正社員 7.9 万人、パートなど 11.6 万人、自営など 0.5 万人となる

 とあります。

雇用形態が正社員とパートだと、正社員の方が子どもが生まれた後も仕事を続ける割合が高いですよね。

パートの場合、月の収入と保育園料を天秤にかけると、預けて働いても手元にお金があまり残らないとなってしまうので、続ける意義を見出せないのだと思います。あと、パート待遇の場合は、妊娠で雇い止めになる可能性も高い。

子どもが生まれた後にも女性が働き続けられるようにするには、まず、結婚退職して正社員からパートになってしまう女性の数を減らしたほうが効果が出るんじゃないかな。

 

 

以前「子どもを持つ女性の就業率は52%、正社員比率は8%」という記事を見て、「子どもを持つ女性の正社員率ってそんなに低いの!?」と驚いたことがありました。

でも、これ、求人サイトでおこなった調査なんですよね。求人サイトを利用しているユーザーへのアンケートなので対象者がかなり偏っていると思います。しかも母数が639名で、多いとはいえない。ちょっと、この数字だけ取り出してしまうのは危険。

 

 

実際は、正社員でがんばっている仲間たちはどれぐらいいるんだろう??

保育園にも「会社では育児休暇から復帰したのは私が初めてで、周りに相談相手が居なくて」というママがいました。

みんな孤立無援な気持ちで日々の荒波を乗り越えているけど、実際には回りに仲間はたくさんいるんだろうなー! 荒波に隠されて見えないだけで!!

 

ワーキングマザー(ワーママ)よりも対象が狭まる「リーママ」という言葉を作り、博報堂が活動しています。糧ことばコレクションが面白いです。

私も、「疲れた~。もうダメ~。仕事辞めたい~。」というときに自分を鼓舞し、癒し、気持ちの糧となる言葉をiPhoneにメモしておこう。