片隅でひっそりと

~共働き家庭の 仕事・家事・育児~

育児と家事は、「専業」より「兼業」の方が楽だと思う

昨日

「かあちゃんの夏休みはいつなんだろう?」「とうちゃんとかあちゃんと、あなたの3人とで過ごす楽しい時間が夏休みだよ」

の続き。

 

小学生の夏休みは、専業主婦をしているお母さんは「子どもと終日ずっと一緒に過ごす大変さ」があり、共働きのお父さん・お母さんは「仕事のために、子どもと一緒に過ごせないことからくる大変さ」がある。

 と書いた。

「専業主婦」にとっては「子どもと離れる時間・家事から解放される時間」が「私の夏休み」なのだろうな、というのがいろいろな記事を読んでの推測。

でも、「兼業主婦」にとっては「子どもと一日一緒にいられる時間・日ごろ気になっていても時間がなくて出来なかった家事がやれる時間」が「私たちの夏休み」になる。

 

専業主婦の考え方を問題視しているわけではなく、ポイントは「私の」と「私たちの」の違い。

 

話はいったん替わります。「専業主婦」という言葉に相対して「兼業主婦」という言葉があるけれど…これって、もう時代錯誤な言葉じゃないかと思う。

【兼業】…本業のほかに他の業務を兼ね営むこと。その業務。副業。

【主婦】…一家の主人の妻で、家事をきりもりする人。

「専業主婦」という言葉から「専業主夫」という言葉が生まれた。

だったら、「兼業主婦」と同時に「兼業主夫」という言葉もあっていいよね。

うちは、実情はさておき、「家計への寄与も、家事も、育児も、平等に」にというのが二人の間のルールなっている。「家計への寄与」も半々(同額)なのだから、当然、私と旦那さんとの間で、「どちらの仕事のほうが大事」とか「どちらの方が偉い」とか、ない。

二人とも自分の仕事に誇りも責任もやりがいも感じているし、二人とも家事・育児は自分ごととして参加している。

なので、夫婦で平等に家事育児を担っている家庭において、私が「兼業主婦」と呼ばれるなら、旦那さんは「兼業主夫」である。

 

農業の場合「兼業農家」という言葉は、農業が主従どちらなのかで使い分けがされていて、農業収入が兼業収入より多い農家を「第1種兼業農家」逆の場合を「第2種兼業農家」というらしい。主軸を置いているのがどちらなのかわかりやすくていい。

家庭内で収入と家事育児の分担に偏りがある場合、妻がたくさん家事を担っていたら「第1種兼業主婦」とし、その夫を「第2種兼業主夫」といって使い分けるとかね。冗談だけど。

 

で、最初の話に戻る。

兼業主夫であるうちの旦那さんにとっても、夏休みは「子どもと一日一緒にいられる時間・日ごろ気になっていても時間がなくて出来なかった家事がやれる時間」なんですよね。だから、最初にここがポイントと書いた「私たちの」という言葉になる。

働くときも二人で、家事をやるときも二人で、休むときも二人で、というのがベースにあるので、夏休みも夫婦二人で家事・育児をするというスタンスは崩れない。

 

でも、「専業主婦」がいる家庭の旦那さんは、そういう意識の人は少ないのだと思う。

まあ、その気持ちはわかる。

普段自分が担っているのは「仕事をして収入を得る」ことであり、会社が休みであれば「休日だ! 好きなことするぞ!」という意識になってしまうのは、わかります。私も独身時代はそうだった。

でも、だからこそ、専業主婦の奥さんも「子どもと離れる時間・家事から解放される時間が私の夏休み」という気持ちになってしまうんじゃないかな。

そうして、夫婦で「私の」「俺の」夏休みを確保しようとして確執を生むのではないかと。

 

「専業で会社員をやっている」男性陣のみなさん。

同じ企業戦士である「兼業で会社員も主夫もやっている」男性陣たちは、夏休みは「子どもと一日一緒にいられる時間・日ごろ気になっていても時間がなくて出来なかった家事がやれる時間」という認識ですよ~。

「共働きの家庭とは違う。うちの妻は働いておらず、家事・育児しかしてない」というのであれば、それはあなたにも跳ね返る言葉。「奥さんが家事育児を一人で担っている恩恵を受け、あなたも普段は仕事しかしてませんよね?」と。

こういう人たちが「夏休みとは、子どもと一日一緒にいられる時間・日ごろ気になっていても時間がなくて出来なかった家事がやれる時間」と認識を改めることが出来れば、休み中の家事の担い手も増え、専業主婦が感じている夏休みの負担も減るはず。

もし、会社の夏休みが2日あるなら、

・2日とも夫婦二人で家事・育児を分担しあって負荷を減らし、平等に休む

または

 ・1日は夫が休んで妻が家事育児をおおない、残り1日は妻が休んで夫が家事育児をおこなう

が、公平だと思う。

「俺の休み」ではなく「夫婦二人の休み」です。

 

ちなみに、うちの場合。「一人の時間がほしい」と思った時は、

①平日に有給を取り、子どもはいつもどおり保育園に預ける。

②ちょっとリフレッシュしたい場合、相方に子どもと二人で公園に出かけてもらう。

③半日ほどの自分時間確保の場合は、

 旦那さんの自分時間確保には、私が一人で子どもの面倒を見る。

 私の自分時間確保には、旦那さんが子どもの子守役として私の用事に同行する。

です。

①は簡単には取れませんが、この手段があると思うだけで心の負担が軽くなる。自分の時間が取れずにしんどいと感じたときには特効薬のように効きます。

そもそも、私は平日の大半を保育園にあずけているので、休日に「子どもを誰かに預けて一人になりたい」という気持ちがほとんど湧いてこない。特に夏休みは「家族全員の休み」という感覚なので、常に家族単位で行動。

ここが「兼業主婦」と「専業主婦」の気持ちの大きな差になるのではないかな。専業主婦の場合は四六時中ずーーーっと子どもと一緒なのだから、そりゃ、「夏休みぐらい一人の時間がほしい」という気持ちになるよねぇ。

 

専業主婦が「大変だ」と訴えると色々言う人が出てくるけど、実際大変なのだと思う。だって、自分も「仕事がきつい! 辞めたい!」という気持ちになっても、いざ真剣に考え始めると「仕事を辞めたら専業主婦になってしまう。そっちの方が大変」と、仕事を辞めることを思いとどまるぐらいだから…。

だから、「専業主婦より、兼業主婦の方が楽だよー! こっちにおいでよー!」と、いいたい所だけど…。

専業主婦が家庭内を切り盛りしてくれることに慣れてしまった旦那さんは、そう簡単には変われないだろうなぁ…と思う。旦那さんが変わってくれないと女性は「仕事を始めたのに、相変わらず家事育児は私だけ担っている」という、つらーーーい状態に…。

結婚・出産で一度離職して子どもの手が離れたから再び働こうと考えた場合、「ブランク」の問題より「家庭内の役割の固定化」のほうが厄介。

その点、共働き夫婦は、結婚直後から旦那さんに「家事を半分譲渡」するための教育をし、子どもが生まれたらさらに「育児を半分譲渡」するための教育をし、最初から旦那さんに「共働きをするなら夫婦で協力があたりまえ」と刷り込みしている状態。

再び働き始めようとするときのプレッシャーとストレスの中で、改めて上記2つを旦那さんに譲渡・教育をしなくてはいけないなんて、私なら心が折れそう…。

 

 

再びOisixの今回の広告に話を戻します。

前回の記事で「共働き家庭の私にはピンとこなかった」と書きましたが、よく考えてみたら、これは利用者層のパイを広げるための広告であり、主なメッセージ対象者は「専業主婦」だったのかも。

だって、共働き家庭においての食材宅配サービスの需要があるのは、仕事で帰りが遅くなる平日の方だから。

 

家事家電を導入したり、食材宅配サービスを頼んだり、家事代行に任せたり…こういう外部委託のサービスは共働き家庭をターゲットにしていたりするけれど、「休日にも旦那は家事育児に不参加」という専業主婦家庭にこそ必要になるサービスなんじゃないかと思う。

…でも、「兼業で会社員も主夫もやっている」旦那さんは、家事も育児も自分事であり自分も楽になるから「使ってみよう!任せてみよう!」と了承を得やすいけれど、「専業で会社員をやっている」旦那さんは、他人事だから「高い。お金がかかる」と反対しそう。

専業主婦のハートを射止めるだけでなく、旦那さんの説得ができないと、利用者のパイは広がらないね~。