片隅でひっそりと

~共働き家庭の 仕事・家事・育児~

ぐり君、迷子事件(母の寿命が縮んだ)

金曜日、1本早い電車で帰りました。

保育園を出たのは17時50分ぐらい。

日も長くなり、夕方といってもまだまだ明るい時間帯。二人でのんびり帰っていたときに事件が起きました。

 

保育園と家の間は、井桁状になっており、ルートが3つあります。

ルートは普段使い分けており、

●一番左は、保育園と駅の間に出るルートで、明らかに遠回りなので、お迎え後にスーパーに寄ったときのみ使っています。

●真ん中の道は、住宅街の中を通っており一番の近道なので朝の登園時は必ずこの道。あと真冬や荷物の多い金曜など帰宅を急ぐ時もこのルート。

●一番右は、真ん中とほぼ並走していますが、途中湾曲しているので少しだけ遠回りになります。しかし、顔なじみの酒屋さんの前を通って挨拶ができることと、近所のお友だちの帰宅ルートとかぶるので、保育園からの帰りによく使っています。

となっています。

 

普段なら、荷物の多い金曜は中央のルートを使用しますが、いつもより少しだけ早く帰れたので気持ちに余裕があったことと、周囲も明るかったのでのんびり帰ろうと思って一番右のルートを選びました。

 

酒屋のおじさんに挨拶して通り過ぎ、少し先の工務店のお兄さんとも笑顔で手を振りあって先に進んだ時のこと。

 

ぐり君が、にやにやと良からぬ笑みを浮かべ、こっちを振り返りつつ、左側に延びる横道に入っていきました。

この横道の先は、真ん中の道と、一番左の道へとつながっています。

3本の道を串刺しにしている道です。

マンション横の道で、そこそこの道幅がありますが、車両は通り抜けできないよう杭がしてあります。とはいえ、時々宅配や住人の方の車は時々入ってきます。

 

車の気配がないか気にしつつも、かくれんぼでもするのかな?と思い、こちらも角地でぐり君がギリギリ見えない場所で待っていました。

しばらく待っていましたが…何の声もかからない。

私が探しに行かなければ、寂しくなってしびれを切らして出てくるかな?と思ってさらにしばらく待ちましたが…出てくる気配がない。

車の通りがゼロではないので、心配になって横道に入り、真ん中の道に出たところでマンションの周囲をぐるっと回って元の角地に戻ってきたけれど、ぐり君はいない。

もしかして、私を探してぐり君もぐるっとマンションの周囲を回っているのかも?と思い、急ぎ足でもう1周……いない!

駆け足で、今度は反対周りをして「りーちゃん!」と呼びながらもう1周……どこにもいない!!!

 

パニック!!!

逆回りしても会えないということは、ここにはいない可能性が高い。

ここにいなければ、あとは考えられるのは、一番左のルートに出たか、真ん中のルートに出て先に家に向かったか。

ちょうど保育園と家の道のりの真ん中ほどの位置で、家までは徒歩で4分ほどの距離。少し歩けばすぐに家が見えるほど近くで、ぐり君は道を完全に把握している。

一番確率が高いのは、一人で家に向かっている…という線。

でも、もし、まだこの辺にいたら?

私が家に向かったあと、さっきの場所にお母さんがいないことにぐり君が気づき泣きながら私を探す羽目になったら??

いや、でも、家まですぐとはいえ、この先には、横断歩道がないのに車が通る道を横切らなくてはいけない箇所がある!夕方は視認性が悪くなり危険!

金曜で布団の持ち帰りもあり、大荷物。

著しく機動性に欠ける。

家まで見に帰ってぐり君がいなければ、荷物をすべて置いて再度探しに出た方が動きやすい!

一番確率の高い可能性への確認と、その後のことを考えてまずは家に帰ろう!

 

そう心が決まったら猛ダッシュ

荷物がじゃまーーー!と思いながら、家を見ると、まだ夕焼けにもなっていない、暗くなるのはこれからという時間なのに、階段に明かりがついている!

直近で誰かが階段をのぼったということだ!

どうか、ぐり君でありますようにーーー!と祈りながら走りました。

 

階段をのぼりながら、近所迷惑にならないよう小さな声で「りーちゃん?」と呼びかけながら階段をのぼりました。

返事はないけれど、人の気配は微かにある…と2階の階段から3階を見上げると、…いた!!!!???

 

顔を上げた先には、玄関前に、ぐり君と、背の高い男性と、その横にぐり君より少し背の高い女の子の3人が並んで立っていました。

 

少し涙を浮かべていたぐり君に駆け寄って抱きしめ、振り返ると、男性が「声を掛けたら一人で帰るといっていたので…良かった、すぐにお母さんが帰ってきてくれて」と経緯を教えてくれました。

「すみません!ありがとうございます!!!」

「いえ、うちの子と同じ5歳だと聞いて。うちの子も一人で帰ろうとしたことがあるので」

小さな子が一人で帰ると言っているのを聞いて、心配になって付いてきてくれたようです。

 

一粒涙がこぼれ落ちたぐり君へ「心配した!ひとりで先に帰ったらダメでしょう」と諭しながらぎゅっと抱きしめていると、そっと立ち去る気配がして、帰っていく男性と女の子に「すみませんでした!ありがとうございます!!!」と同じ言葉を繰り返すことしかできませんでした。

 

 

ついひと月ほど前に、保育園の保護者会に出た方から「先輩ママさんから、この頃になると子どもの行動範囲が広がって、親が目を離した好きに勝手に遊びに行ってしまって慌てて探し回る、という事例を多々聞いた」と、情報を共有してもらっていたのに…。

まさか、こんなに早くそれを体験するとは。

 

 

ぐり君に、どうしてこんなことをしたのかと聞いてみたら、「ひとりでかえって、ぱっぱをおどろかせようとおもった」と話してくれました。

「泣いちゃうほど驚いたよ!」と返しましたが、多分ぐり君はそういう意味で驚かせたかったわけではなく、一人で出来るところを見せて驚かしたかったのだと思います。

最近、登園時に「もうひとりでほいくえんにいけるよ! ぱっぱは、ぼくがみえなくなってからあとからきて!」と言われたり、「しょうがくせいになったらひとりでがっこうにいけるよ!」と言っていたのに対して、私が「まだダメだよ。ちゃんと横断歩道で左右を確認して渡れるようにならないと、一人では行かせられないよ」と返していたから…。

「ぼくはもうできる!」と見せたかったのだろうな…。

 

「お母さんが帰ってきたとき、どうして泣いていたの?」と聞いたら「さみしかったの…」といっていたので、しばらくは親の目を離れて一人で飛んで行ってしまうことはなさそうです。

 

今までなら、帰り道に姿を隠しても「かくれんぼ」以外考えられなかったのに。

まさかお母さんを出し抜いて先に一人で帰ってしまうなんて。

さらに成長した証でもあるんだなぁ…。

 

 

 

本当に大事に至らずに済んでよかった。

親切な男性に、感謝の言葉を伝えることしかできなかったのが心苦しい。

本当にありがとうございます…!!!!!

受けた恩は、いつか同じような状況に遭遇した際に、同じ行動をしてお返しします!