片隅でひっそりと

~共働き家庭の 仕事・家事・育児~

「取らぬタヌキの皮算用」と「タヌキの皮を取られぬための算段」  相続に関する思い違い②(NISA編)

旧NISAから新NISAに切り替わるタイミングで痛い目を見た(課税口座に移し替えか、損失を抱えた状態で売却かを迫られた)私ですが、新NISAは非課税保有期間の制限がなくなり無期限になって良かったな~と思っていました。

ところが! 落とし穴がありました。

 

まず私がどんな「痛い目を見た」かというとと、コロナショックのせいで今まで順調だった旧NISA枠の投資信託が損失を抱えていたタイミングで、新NISAがスタートしました。
今までならロールオーバーしていれば「いつか基準価格は回復して損失も消えるだろう」とのんびり待つことができたのですが、旧NISAから新NISAへのロールオーバーは認められていませんでした。

そこで、「損失を抱えたまま売却する」か「旧NISA枠から現在の価格(損失価格)で課税口座へ移管するか」を迫られたのです。
新NISA枠へ移管(ロールオーバー)できれば何の問題もなかったのですが…制度上は移管先は課税口座一択です。

たとえば、旧NISA枠で100万分購入したものが損失で時価80万に目減りしていたとします。

その時期に旧NISAが終了。課税口座移管時の時価80万が新しい取得価格となり、その後の値上がり益に課税されてしまうのです(移管先は課税口座だから)。

80万で課税口座に移し、数年待って100万に戻ったタイミングで売却したと場合、20万利益が出たということになりその額に税金がかかります。

私視点でみれば、ようやく損失が消えて元の値段に戻っただけなのに…課税されるなんて…。

 

で、新NISAになって非課税保有期間の制限がなくなったので、上記のような悲劇はもう二度とおこることはないのか、と安心していたんですよね…。

ところが。相続の時には同じことが起こるとチャッピーが教えてくれました。

そ、そうなの~!?

 

チャッピー曰く

 

相続で取得した株式・投資信託は、相続人のNISA口座には絶対に入れられない。
成長投資枠でも、つみたて投資枠でも、どちらも不可。

  • 被相続人が亡くなる
  • 被相続人のNISA口座は終了
  • 中にあった資産は
     → 相続人の「課税口座(特定 or 一般)」へ移管
  • 取得価額は
     → 死亡日の時価

     

 

なので税金に関しては、

 

  • 相続税は「死亡時の時価」にかかる
  • その後売っても、相続時点からの上昇分だけが課税

 

だそうです。

 

…うーん。相続時に時価総額が跳ね上がっていた場合、相続→納税の際にかなりのダメージよ?

夫への一次相続はいい。最強の「配偶者控除」があるから。

問題は子どもへの二次相続。

子どもが現金の相続なしでNISAや課税口座の株・投資信託のみを相続していたら、相続税を払うために即売却しないといけなくなる。しかもその場合、相続税と売却益への課税も同時にかかってダブルパンチ(相続人となる子どもの心理的な負担が問題なだけで、親~子の2世代で見た際には実際の納税額が増えるわけではない)。

 

う、う~ん!!!

以前、こちらの記事

投資の損失をどこまで許容できるか? 改めて考えてみた - 片隅でひっそりと

NISA枠を使うなら、それこそ「損失が出ても10年持っていればトントン」となるインカムゲイン目当ての安全パイの株しか買えないよ。

長期ガチホ勢なのだから、それでもいいのかな~。

買いたい株の性質に合わせ、NISA口座と課税口座を使い分けるのがいいのかな~?

と書いた。

すでにNISA枠で安全パイと思われる株をいくらか購入はした後だけれど、NISA枠をフル活用する案は、もう一度考え直した方がいいかもしれない。

 

チャッピーが

 

NISAは

生きている間
 →最強の非課税ボーナス

死んだ瞬間
 →ただの“普通の資産”

だから
相続設計では主役にしない
という判断が出てくる

 

と言っていたのが、腑に落ちた。

「株も投資信託も、自分が生きているうちは配当金だけ生活費として使って、切り崩さずに運用し続ける。死んだら株や投資信託は子どもに相続」と思っていたけれど、この計画は全然ダメじゃん。

子どもが払わねばならぬ相続税が予測不能(相続発生時の時価による)というのはリスクにもなりえる。

相続する側の気持ち的には、現金で相続するのが一番心理的なダメージが少ないよ。

 

…株で億り人になった人たちは、相続の時どうするのだろう?

 

チャッピーは、

NISA株は相続時に課税口座へ

取得価格は相続時の時価にリセット

だから、 相続税は「時価」でかかる

その後売っても、 相続時点からの上昇分だけが課税

 →実はNISAは相続後の売却税では有利。

 

といってたけれどさ。

あれ? ちょっと待って? 本当にNISAの方が有利と言える??

それ、例によって、価値が上がっているときだけの話だよね…?

NISAで損失を出した状態で課税されたら、反対に課税口座での相続より不利にならない?

たとえば、100万の元金で、課税口座・NISA口座で運用&相続した場合を比較してみると。

 

【NISA】

●元金100万で株を購入

●私が死亡した時点では、価値が目減りしていて50万

●相続人の課税口座に移管 時価50万にリセット →相続税の対象は50万

●その後、V字回復で200万に成長したところで売却 →200万ー50万(相続時の時価)=150万が課税の対象に

 

【課税口座】 ●元金100万で株を購入

●私が死亡した時点では、価値が目減りしていて50万

●相続人の課税口座に移管 →相続税の対象は50万

●その後、V字回復で200万に成長したところで売却 →200万ー100万(取得時の金額)=100万が課税の対象に

 

となって、NISAのメリットが生かせない場合があるよね?

と、チャッピーに聞いたら…

 

「いいところ突くね」

って。

いやいや。最初に言っておいてよ!

「実はNISAは相続後の売却税では有利」というチャッピーの言葉を疑うことなく信じていたら、大変なことになるところだった。

チャッピーにさらに突っ込んで聞いたら

 

NISAで含み損のまま死亡すると、

  • 生前に出していた 損失を、税務上なかったことにされる
  • さらに
     →取得価額が低くリセットされる

つまりこれは、

「損は引き継げないのに、回復益には課税される」

という構造。

これ、NISAの“唯一にして最大の弱点”。

 

…ダメじゃん! 結局、新NISAで無期限にはなっても、私が痛い目を見たあの呪縛からは逃れられないのか。損益通算もできないしね。

 

それと、課税口座と、NISAでは、相続時における「取得価格」の考え方が違う点が、相続を考える際の一番のポイントじゃないかと思う。

  • NISAは「相続時に課税口座へ移管され、取得価格は相続時の時価にリセット」。
  • 課税口座では、「何代相続しても、被相続人(最初に買った人)の取得価格を引き継ぐ」。

個人的には、運用していく中で「元本割れ」の状態を見続けるのが一番きつい。

株式は、「課税口座に置いておいた方が“相続耐性”が高い」と言える。

 

チャッピーに、上記の考えを投げてみたところ

チャッピーがまとめてくれた。

 

NISA
 → 生きている間に“確実に恩恵を受けたい資産”
 → 老後取り崩し前提
 → 相続はオマケ

課税口座
 → 自分の人生+相続まで含めた“耐久資産”
 → 次世代に引き継ぐ前提

 

これを踏まえると、案外子どもに株式を遺すのも悪くないんじゃないか、と思える。

チャッピーからは、子どもに価格が変動する資産を遺すのはやめておけ、保険一択がいいとアドバイスされたけれど。

 

次は、「保険」の相続で勘違いしていたことを書こうと思います。

 

 

▼相続を考えた資産運用シリーズ

「取らぬタヌキの皮算用」と「タヌキの皮を取られぬための算段」 相続に関する思い違い①(株式編) - 片隅でひっそりと

「取らぬタヌキの皮算用」と「タヌキの皮を取られぬための算段」 相続に関する思い違い③(保険編) - 片隅でひっそりと