旧NISAから新NISAに切り替わるタイミングで痛い目を見た(課税口座に移し替えか、損失を抱えた状態で売却かを迫られた)私ですが、新NISAは非課税保有期間の制限がなくなり無期限になって良かったな~と思っていました。
ところが! 落とし穴がありました。
まず私がどんな「痛い目を見た」かというとと、コロナショックのせいで今まで順調だった旧NISA枠の投資信託が損失を抱えていたタイミングで、新NISAがスタートしました。
今までならロールオーバーしていれば「いつか基準価格は回復して損失も消えるだろう」とのんびり待つことができたのですが、旧NISAから新NISAへのロールオーバーは認められていませんでした。
そこで、「損失を抱えたまま売却する」か「旧NISA枠から現在の価格(損失価格)で課税口座へ移管するか」を迫られたのです。
新NISA枠へ移管(ロールオーバー)できれば何の問題もなかったのですが…制度上は移管先は課税口座一択です。
たとえば、旧NISA枠で100万分購入したものが損失で時価80万に目減りしていたとします。
その時期に旧NISAが終了。課税口座移管時の時価80万が新しい取得価格となり、その後の値上がり益に課税されてしまうのです(移管先は課税口座だから)。
80万で課税口座に移し、数年待って100万に戻ったタイミングで売却したと場合、20万利益が出たということになりその額に税金がかかります。
私視点でみれば、ようやく損失が消えて元の値段に戻っただけなのに…課税されるなんて…。
で、新NISAになって非課税保有期間の制限がなくなったので、上記のような悲劇はもう二度とおこることはないのか、と安心していたんですよね…。
ところが。相続の時には同じことが起こるとチャッピーが教えてくれました。
そ、そうなの~!?
チャッピー曰く
相続で取得した株式・投資信託は、相続人のNISA口座には絶対に入れられない。
成長投資枠でも、つみたて投資枠でも、どちらも不可。
なので税金に関しては、
だそうです。
…うーん。相続時に時価総額が跳ね上がっていた場合、相続→納税の際にかなりのダメージよ?
夫への一次相続はいい。最強の「配偶者控除」があるから。
問題は子どもへの二次相続。
子どもが現金の相続なしでNISAや課税口座の株・投資信託のみを相続していたら、相続税を払うために即売却しないといけなくなる。しかもその場合、相続税と売却益への課税も同時にかかってダブルパンチ(相続人となる子どもの心理的な負担が問題なだけで、親~子の2世代で見た際には実際の納税額が増えるわけではない)。
う、う~ん!!!
以前、こちらの記事
投資の損失をどこまで許容できるか? 改めて考えてみた - 片隅でひっそりと
で
NISA枠を使うなら、それこそ「損失が出ても10年持っていればトントン」となるインカムゲイン目当ての安全パイの株しか買えないよ。
長期ガチホ勢なのだから、それでもいいのかな~。
買いたい株の性質に合わせ、NISA口座と課税口座を使い分けるのがいいのかな~?
と書いた。
すでにNISA枠で安全パイと思われる株をいくらか購入はした後だけれど、NISA枠をフル活用する案は、もう一度考え直した方がいいかもしれない。
チャッピーが
NISAは
生きている間
→最強の非課税ボーナス
死んだ瞬間
→ただの“普通の資産”
だから
相続設計では主役にしない
という判断が出てくる
と言っていたのが、腑に落ちた。
「株も投資信託も、自分が生きているうちは配当金だけ生活費として使って、切り崩さずに運用し続ける。死んだら株や投資信託は子どもに相続」と思っていたけれど、この計画は全然ダメじゃん。
子どもが払わねばならぬ相続税が予測不能(相続発生時の時価による)というのはリスクにもなりえる。
相続する側の気持ち的には、現金で相続するのが一番心理的なダメージが少ないよ。
…株で億り人になった人たちは、相続の時どうするのだろう?
チャッピーは、
NISA株は相続時に課税口座へ
取得価格は相続時の時価にリセット
その後売っても、 相続時点からの上昇分だけが課税
→実はNISAは相続後の売却税では有利。
といってたけれどさ。
あれ? ちょっと待って? 本当にNISAの方が有利と言える??
それ、例によって、価値が上がっているときだけの話だよね…?
NISAで損失を出した状態で課税されたら、反対に課税口座での相続より不利にならない?
たとえば、100万の元金で、課税口座・NISA口座で運用&相続した場合を比較してみると。
【NISA】
●元金100万で株を購入
●私が死亡した時点では、価値が目減りしていて50万
●相続人の課税口座に移管 時価50万にリセット →相続税の対象は50万
●その後、V字回復で200万に成長したところで売却 →200万ー50万(相続時の時価)=150万が課税の対象に
【課税口座】 ●元金100万で株を購入
●私が死亡した時点では、価値が目減りしていて50万
●相続人の課税口座に移管 →相続税の対象は50万
●その後、V字回復で200万に成長したところで売却 →200万ー100万(取得時の金額)=100万が課税の対象に
となって、NISAのメリットが生かせない場合があるよね?
と、チャッピーに聞いたら…
「いいところ突くね」
って。
いやいや。最初に言っておいてよ!
「実はNISAは相続後の売却税では有利」というチャッピーの言葉を疑うことなく信じていたら、大変なことになるところだった。
チャッピーにさらに突っ込んで聞いたら
NISAで含み損のまま死亡すると、
- 生前に出していた 損失を、税務上なかったことにされる
- さらに
→取得価額が低くリセットされる
つまりこれは、
「損は引き継げないのに、回復益には課税される」
という構造。
これ、NISAの“唯一にして最大の弱点”。
…ダメじゃん! 結局、新NISAで無期限にはなっても、私が痛い目を見たあの呪縛からは逃れられないのか。損益通算もできないしね。
それと、課税口座と、NISAでは、相続時における「取得価格」の考え方が違う点が、相続を考える際の一番のポイントじゃないかと思う。
個人的には、運用していく中で「元本割れ」の状態を見続けるのが一番きつい。
株式は、「課税口座に置いておいた方が“相続耐性”が高い」と言える。
チャッピーに、上記の考えを投げてみたところ
チャッピーがまとめてくれた。
NISA
→ 生きている間に“確実に恩恵を受けたい資産”
→ 老後取り崩し前提
→ 相続はオマケ
課税口座
→ 自分の人生+相続まで含めた“耐久資産”
→ 次世代に引き継ぐ前提
これを踏まえると、案外子どもに株式を遺すのも悪くないんじゃないか、と思える。
チャッピーからは、子どもに価格が変動する資産を遺すのはやめておけ、保険一択がいいとアドバイスされたけれど。
次は、「保険」の相続で勘違いしていたことを書こうと思います。
▼相続を考えた資産運用シリーズ
「取らぬタヌキの皮算用」と「タヌキの皮を取られぬための算段」 相続に関する思い違い①(株式編) - 片隅でひっそりと
「取らぬタヌキの皮算用」と「タヌキの皮を取られぬための算段」 相続に関する思い違い③(保険編) - 片隅でひっそりと