片隅でひっそりと

~共働き家庭の 仕事・家事・育児~

片付け下手が、片付けを語る「乳幼児の家庭に“ワンアクション収納”は悪手」

私は「掃除」が苦手です。

気を抜くとあっという間に部屋が散らかってしまいます。

独身時代は「自分のキャパシティ」を超えて散らかった部屋を、どうやって片付けたらいいのかわからず呆然とすることもしばしば(というか、いつも!)ありました。

そんなときは、よく友達に片付けを手伝いに来てもらっていました…。

 

私は母に「片付けなさい」としょっちゅう怒られていたけど、「片付け方」を教えてもらったことはありませんでした。

そもそも、私の母も片付けが苦手。祖母の家はいつもきちんと片付いていたけれど、もともと物が少ないうちでした。物が少なく散らかる要素のない環境で育った母は日常生活の中で片付けに苦労することはなく、母もきっと祖母から「片付け方」を習う場がなかったのでしょう。

 

「私はなんでこんなに掃除が出来ないんだろう」と苦悩していたときに読んだレポート?で「片付け」「整理整頓」「掃除」は別物であると、ようやく気づくことが出来ました。

1つ1つ自分の苦手なことを掘り下げて考えてみると

 

1、掃除は好き。薬罐をピカピカに磨いたり、フローリングの隙間のゴミ取りをしたり。いつまでやっていても飽きない。庭の雑草抜きも大好き。

 

2、でも、整理整頓は苦手。…だったけれど、最近は使い勝手を考えてルール決めをするのは楽しいと思うようになった。ごちゃごちゃだった場所を分類し整理して、すっきりと使いやすくなったのを見るのは快感。

 

3、しかし、片付けは大嫌い。これはいつまでたっても出来ない。毎日・毎回出したものは元の位置に戻し続けるといった、常にコツコツやらなくてはいけないことを疎かにするから、気を抜けばあっという間に部屋がしっちゃかめっちゃかになってしまう。

 

 

「掃除が苦手・下手・出来ない」と思っていた時は、「片付け」も「整理整頓」も「掃除」も、すべていっしょくたにして「掃除」と捉えていました。

 

私はそれらを区別して順序だてることをせずに、片付けも整理整頓もすっ飛ばして好きな「掃除」をやろうとするから、「局地的にはきれいになるけど、部屋全体は散らかったまま」。

動線を考えずに「空いている場所」にしまうから、片付け直後は綺麗になっても、一度使うと元の場所に戻すのが億劫で、それが積重なってまた部屋全体が散らかる…を繰り返していたのでした。

 

今まで何がダメだったのかを把握した後は、

「導線を考え、使用する場所の近くに収納する」

「使いやすさを考えて、整理・整頓する」

「できるだけアクション数を減らす」

これらを意識して収納場所・収納の仕方を考えて配置する楽しさを知りました。

 

結婚後も、その流れで家を整えました。

物の置き場がきちんと決まっていて、取り出すのもしまうのもアクション数が少ない。

使いやすく、しまいやすいから、散らかりにくい。

ベストな配置だと思っていました…子どもが生まれるまでは。

 

「ワンアクション」で取り出せるは、収納の観点から見るとベストですが、乳幼児を育てる環境では悪手です。

この「取り出しやすさ」が、後に仇になりました。

 

 

ハイハイとおすわりが出来る頃から、シンク下の収納と冷蔵庫の野菜室は子どもの興味関心を引き、何度も何度も荒らされました。

かまり立ちが出来るようになると、今度はリビングボードの引き出しが犠牲に。

洗剤も薬もさっとすぐに取り出せてしまうから、私が止めるまもなく口に入れようとしてしまう。

簡単に取り出せるようにしてあるから、引き出しの中のものを引っ張り出して遊ぶ。

「それはダメ!」と子どもから取り上げても、同じ場所に戻すわけにもいかず、「取り敢えず高い棚の上に置いておく」を繰り返す日々。

そうして、タンス・本棚・食器棚・リビングボード・下駄箱などの「少し高い位置」には子どもから取り上げたありとあらゆる物が積み重なって置かれ……カオス!!

 

かといって、収納に余裕もなく、「子どもが触れる場所には物はおかず空っぽにしておく」ということは出来ないので、

●シンク下の観音開きの扉 →双方の持ち手を紐でくくって開かないようにする

●冷蔵庫の野菜室 →100均一でストッパーを買ってきて張りつける(すぐに壊れた。そして剥がれない…)

●リビングボード →椅子などでバリケードを設ける

で対処し、それでもしきれない場所のみ、物の収納場所を高い位置に変更していました。

 

2歳4ヶ月の現在、少しずつ「そこは触ってはダメ」が分かるようになってきました。

今では、冷蔵庫のストッパーと、リビングボードのバリケードは撤去しています(椅子に登ることが出来るようになり、椅子に登ってリビングボードの上にものを取ろうとうするので逆に危なくなったから)。

シンク下の包丁が仕舞ってある場所と、花器の剣山が仕舞ってある場所だけ、紐でくくったりして扉を開けられないようにしています。

何もかも「安全」に整えてしまうのも、「やっていいこと・悪いこと」を教える機会がなくなってしまうかも…と考え、危険なものがない冷蔵庫とシンク下の一部とリビングボードの引き出しは無防備な状態にしてあります。

そのため、ペーパータオル、サランラップ、セロテープ、絆創膏などが、未だに毎日犠牲になっています。

 

 

それでも、子供の成長とともに、少しずつ、本来の「出しやすく片付けやすい場所」に物を収納出来るようになってきました。

1年半でここまでこれたのだから、きっと1年後にはさらに状況が改善し、元の「ベストな配置」に戻すことができるのでしょう。

 

 

私の実体験からの教訓ですが、子どもが生まれる前に「“ワンアクション収納”は悪手」だと気づけていれば、子どもが手にしているものを見て「それはダメダメー!」と静止することも少なく済み、もっと「またやられた!」とか「片付けても片付けても子どもが散らかす!」というストレスを緩和できたに違いありません。

「これから待望の第一子が生まれる」という皆さん、今のうちに家の中の物の配置を見直すことをおすすめします~!