ぐり君は、33週の時に帝王切開で生まれました。
「産休に入るのを1週間遅らせれば、夏休みから産休になって丁度いい」なんて、呑気に構えていた32週の定期健診で急転直下。
50日近く早く産んでしまったので、ぐり君はとても小さく、ひと月NICUにいました。
私が産後に入院していたのは10日ほど。
その間、毎日搾乳していましたが、ぎゅうぎゅうやっても、長時間かけても、あまり母乳は出ず。
最初はなんとかぐり君が飲む量を賄えていましたが、すぐに足りなくなってしまいました。
また、小さく生まれたので栄養価の高いミルクをあげる必要もあり、最初から粉ミルク頼みに。
妹も義妹も、母乳だけで育てていたので、自分もそのイメージしかなかったのですが…。
自分だけ先に退院した後も、3日おきぐらいで搾乳して凍らせておいた母乳を病院に届けていましたが、どんどん出が悪くなり…。
ぐり君が退院し、「これで、子どもが飲むようになれば出が良くなるかも」と期待したのもつかの間。
ぐり君は、おっぱいを近づけるだけでギャン泣き…。
でも、母乳はあげたい。
家に帰って来てからも、搾乳して哺乳瓶に母乳をいれて、なんとか飲ませる日々。
これで、粉ミルクより母乳の方がよく飲むならモチベーションも保てたのでしょうが、そんな様子も見られず。むしろ粉ミルクの方が飲みきっている気がする。
ちょうど、出産して2ヶ月ぐらいで、一番産後うつになりやすいタイミングでした。
寝不足から搾乳の頻度も落ち、胸が張ることもなくなり、どんどん出なくなります。
「子どもがおっぱいを吸ってくれない」
「むしろ泣いて嫌がる」
これが、どれだけ悲しく辛かったか…。
旦那さんに「全然ダメだね。無理して飲ませなくていいんじゃない?」と言われたとき、すごく傷つきました。
今振り返ってみれば「そうだね」と言えるのですが。当時は無理だった。泣きながら怒った記憶があります。
姪っ子はおっぱい星人で、保育園の年長組になっても、甘えたいとき、不安なとき、悲しいとき、寝ながらちゅぱちゅぱしていました。
おっぱいが精神安定剤なんだなぁと微笑ましく見ていたので、ぐり君がおっぱいに見向きもしない、むしろ嫌がっているのを見て「この子は、“お母さんのおっぱい”という安らげるものを持たずに過ごし、不安なとき、寂しいとき、どこに安らぎを見出せるのだろう」と考えてしまい、さめざめと泣きました。
そんな日々の中、産後ケアで家庭訪問してくれた助産師の方に話を聞いてもらい、「粉ミルクの方が栄養価があるし、0歳で保育園に預けることを考えているなら卒乳の心配もない」とあっけらかんと粉ミルク育児を肯定され、気持ちの切り替えができました。
その後の、病院での 月いちの定期健診でも「粉ミルクなら、鉄分不足の心配もないね」と言われ、粉ミルクでの育児をようやく肯定的に捉えられるようになりました。
ぐり君が寂しいとき、不安なとき、“おっぱい”という癒しを知らなくても、頬をくっつけてぎゅーって抱きしめてあげればいいんだ。
そう思って2年育ててきたのに。
最近、私のパジャマの胸元のスナップをはずして、「○×△※」とよくわからない言葉をいいながら、乳首に吸い付いてきました。
昨日は、お風呂あがりに体を拭いてあげていたら、「ちゅー」といいながら軽く吸い付き、口を離してから「ぉぃしーぃ」と。
…。
いや、出てないし。
…。
ぐり君、新生児の一瞬のみでほとんど母乳飲んでいないから、味も記憶にないでしょ。
っていうか、おっぱいをちゅーちゅーするの、どこで覚えてきたの!?
「ぉぃしーぃ」と言いながら、ちょっとはにかんでニッコリするのは可愛いのですが、複雑な気持ちです。
なぜ、いまさら…。
授乳ではなくスキンシップとしてのこの行為は、どこまで許容すべきなのか…。
女の子なら、もう少しおおらかに捉えられたのかもしれませんが。悩みます。