芋版の時代の味のある古い和食器が好き。
作家さんが作る唯一無二の器も素敵。
気に入ったものはずっとずっと使い続けたい。
だから、買うときには慎重に。
もう十分あると思えるので、安易には増やさない。
店舗に同じ食器が積まれている場合、「これがいい」となったら、絵付けや釉薬の具合など、必ず1枚1枚見て、その中から「一番気に入ったもの」を選びます。
ぬいぐるみを買う際に、顔を見比べで一番可愛いのを買うのと一緒。
家には、高いものも安いものも、工業製品も作家ものもアンティークのものもあるけれど、すべてがお気に入りです。
だから…割れた時は、もう大ショック。
食器は「割れてしまうのは、お気に入りでよく使っていた証拠」とか、「しまい込んで使わないほうがもったいない」と、自分で慰めてみるけど、やはり壊れて捨ててしまったお気に入りの器のことは、ずっと覚えていて時々思い出します。
まだ20代の頃に気に入って買った器を、1週間もしないうちに壊してしまい、接着剤でくっつけたけど、元のようにはならず…。
でも捨てられなくて、小物いれとして使っていました。
いつか金継ぎで直そうと、友人からお誕生日プレゼントで金継ぎセットをもらったけれど、金継ぎは漆が固まるまで時間がかかるので、片づけが苦手な自分が部屋で「お店を広げる」のに躊躇し、なかなか着手できませんでした。
(ずっと片付けないままになりそうで…)
結婚後、ふとその話をすると、旦那さんが
「うるしは、皮膚が薄い女性はかぶれることもあるから触らないように」といって、旦那さんが金継ぎをしてくれるようになりました。
私が 接着剤でいびつにくっつけてしまった器は、今度ははがずことができず、
「さらに割れるかもしれないけど、かなづちで叩いていい?」と許可を求められ、OKを出して分解してもらいました。
で、旦那さんのはじめての金継ぎ作品がこちら。
ちょっと縁の部分が凸凹と波うっていますが、きれいにくっつけてくれました。
縁が欠けた程度の修理なら、そんなに大変じゃない(旦那さん談)とのことなので、欠けを見つけたら大きく割れてしまう前に「お願い!!」と、旦那さんに渡しています。
割れてしまってもまた直してもらえると思うと、ぐり君に陶器の食器を使わせるのも躊躇がなくなりました。
離乳食のうちは、お皿を投げたり振り回したりもしていたので、危ないからと子ども用の軽い食器を使っていましたが、最近は、食器の扱い方も教えるために、大人と同じものを使わせています。
テーブルに「バン!」と力任せに置いたり、持っていたコップを床にぽいと落としたり…プラスティックの食器なら、「食べ物を粗末にしない」「床が汚れる」という理由のみで注意していましたが、陶器の食器を使うと「足の上に落ちたら痛いよ」「お皿が壊れちゃうよ」といった注意もするようになりました。
しまいこまずに普段使いをし、子どもの手荒な扱いから食器を守りつつ、でもいざとなったら金継ぎで直せる!
金継ぎで直した欠けやヒビの修復あとも、いとおしく感じます。